千葉県柏市花野井周辺

旧陸軍東部第105部隊営門跡と
 
秋水 地下構造物の排気筒
(2010/07/20 更新)

 柏市花野井の東急柏ビレッジ周辺の高台を歩いていると、お花畑のなかから突如、無骨なヒューム管のような筒が何本も突き出ている光景にびっくりする。これは、柏市の教育委員会文化課におたずねしたところ、コンクリートドーム状の地下壕から伸びた排気管ではないかということで、戦時遺跡として市内の小学生の見学コースにもなっているという。さまざま資料から推測すると、第二次世界大戦末期、柏市は首都上空に侵入する連合軍の爆撃機のコースに近かったために、飛行場が建設され、ここに昭和20年4月10日 迎撃のためにロケット戦闘機『秋水』が配置される予定であったという。するとこの地下壕は、専ら秋水のロケット燃料貯蔵のために建設されたと考えられる。そして、畑に突き出している筒は、毒性が強く有機物に触れると爆発しやすい甲液燃料(過酸化水素水)の保管に、通風をよくする目的で設置されたのであろう。

 つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」で下車。「柏10系統」のバスで約10分、
「花野井木戸」で下車。右手方向の高台に昇る。

 @ 団地内の道路から高台に上る階段

 A 畑に突き出すコンクリート排気筒

 B 反対の角度から撮影
 C こちらは地表に露出した地下構造物
   「国有地 立ち入り禁止」の立て札が立っているが、
   史跡としてキチンとした説明をした方が良いと思う。

 D 構造物の裏側には入り口をふさいだような跡がある。

 E 構造物上面には写真Aのような筒の穴を埋めたような
   円形の跡が多数認められる。



【柏飛行場 秋水実験隊について】

 さて、異様な構造物の取材を終えたところで、秋水の飛行隊が配属されたという、陸軍東部第105部隊営門が残っていると聞いたので、こちらも写真に納めた。現在の陸上自衛隊柏送信所に近接する、高田原交番の脇に左右対になっている営門の跡が保存されている。門の脇には、「柏市文化財」の説明板が立っていて、昭和13年に開設された陸軍東部第105部隊の営門で、当時のままであることと、終戦直前の昭和20年4月10日に秋水が配備されたことが記されている。しかし、秋水の実機は試験飛行機を含め数機が存在していたのみであり、搭乗機が到着しないまま、飛行隊が先に設置されたのかもしれない。

 【上記下線部についてのお詫びと訂正】 文芸社発行の『或る陸軍特別幹部候補生の一年間 (福田禮吉氏著) 』のなかで、秋水の実機を海軍横須賀航空隊追浜飛行場から受領し、トラックで柏飛行場に移送した記事があり、また、田中祥一氏提供の写真より、秋水と滑空練習機秋草がともに写っていることが確認できました。上記斜体字下線部分の表現では、秋水の柏航空隊への配備が間に合わなかったような印象を与えたことについてお詫び申し上げます。
  したがって、上記文章を次のように訂正いたします。
 これより以前に柏飛行場に配属された秋水実験隊は、滑空機「秋草」や重滑空機による訓練、30mm機関発射実験や燃料注入訓練などを空襲を回避しながら行っていた。実戦配備される予定の秋水実機は、この時点で海軍横須賀航空隊追浜飛行場に二機が搬入されたのみであり、そのうち一機を柏飛行場に移送したが、残念ながら陸軍では初飛行することなく終戦を迎えた。


陸軍東部第105部隊営門跡。突き当たりは(鉄塔)は陸上自衛隊柏通信所
右上の写真は戦時中の営門。


営門跡向かって右手には、柏市教育委員会が設置した文化財説明板が立つ。


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