空技廠で設計・改良された飛行機15
2012年4月1日 更新

高々度偵察機  景 雲
 (十八試陸上偵察機 R2Y1)
 開戦後の海軍では、洋上哨戒索敵と局地偵察を目的とした高性能な陸上偵察機の必要性が増し、空技廠では(十七試陸偵 Y30)として昭和17年の運用を目指し設計を開始した。しかし、ソロモン方面での連合軍による反攻が活発し、当初求められていた航続距離重視型から、高速・高々度飛行が可能な小型偵察機の投入が急務となり、十七試開発計画は中止され、、昭和18年夏から空技廠において十八試陸上偵察機 R2Y1の設計が開始され、昭和20年1月頃に設計がほぼ完成した。

 機体の心臓部である発動機は、愛知航空機製「ハ70-01」。二つの発動機をナセル(エンジン外殻)に納め機体中央に配置することで機体先端部を絞り込み空気抵抗を減らして、発動機から4mの延長軸でプロペラを回転させるというユニークな設計であった。機体後部の上部には大きなインタークーラーの吸気口が見える。
 発動機と機体が最終的に組み上がったのは、昭和20年3月。海軍横須賀航空隊で地上試験を行った後に、船で機体を木更津飛行場に運び、5月27日に地上滑走試験の後、離陸に成功したものの排気管冷却不足などから白煙が生じ、直ちに着陸した。そして終戦を迎え、機体は爆破処理されたという。この革新的な偵察機が実戦に投入されることはなかった。

*ジェット戦闘機化? 戦局の悪化により、十八試陸偵「景雲」も開発中止の危機に直面したが、昭和19年秋、三菱で開発中のネ-330ジェットエンジンの開発のめどがつき、当時開発中の機体の中ではジェット化が一番容易なスタイルであるとして本機に白羽の矢が立ち、空技廠から景雲をジェット攻撃機化した「景雲改」の開発が提案された。結局この機体の性能試験のために景雲の試作は続行されることとなったというエピソードもある。
  •  全長:13.05 m
  •  全幅:14.00 m
  •  全高:4.24 m
  •  プロペラ:V.D.M.低速可変ピッチ6翅
  •  主翼面積:34.00 m²
  •  全装備重量:8,100 kg
  •  乗員:2~3名
  •  発動機: 愛知ハ70 01型 液冷倒立V双子型24気筒 3,400 hp
  •  最高速度:741 km/h
  •  航続距離:3,610 km
  •  実用上昇限度:11,700 m
  •  武装:なし                      (諸元はwikipediaより)

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