空技廠で設計・改良された航空機 13

九三式陸上中間練習機 (九三中練)
(昭和9年 海軍航空廠)
 空技廠の前身、昭和7年に横須賀市浦郷町に開設された「海軍航空廠」にて開発された。正確には昭和6年に横須賀海軍工廠により開発・制式採用された「九一式中間練習機」を改良したものと考えて良い。複葉・通し車軸の旧式な設計であるにもかかわらず、操作性とメンテナンス両面の容易さから、『赤トンボ』の愛称で初等練習機として使用され、太平洋戦争末期までに5000機ほどが生産された。
 滑空比10(*)という値から、秋水が帰還する際の滑空定着訓練に使用された。また、霞ヶ関航空隊では秋水の形状をした木製軽滑空機「秋草」を天山などの航空機に互して曳航したのも九三中練であった。
(リバイバルコレクション「証言・昭和の戦争」より)

 (*)滑空比 動力を使用せず滑空のみで飛行した時、損失した高度(H)と飛行した距離(D)の比 (D/H)。滑空比が10ということは、100m降下するうちに1000m飛行できることを意味する。
 
    全長:8.05m 全高:3.20m 全幅:11.00m
    最高速度 239 km/h(高度2,300 m)
    上昇限度 7,520m
    航続距離 1,109km

    動力 日立天風 空冷星形9気筒 300馬力
    武装 7.7mm機銃×3 30kg爆弾×2